初めて小説を書かれる方や、スランプで思い悩んでしまった方へ向ける、小説の書き方講座集です。
難易度ごとに分類していますので、ご自分の希望する分野をお好きな順で是非どうぞ♪

□「話し言葉」をそのまま書くリスク


つい先日。
知り合いから頼まれて、テープ起こしの仕事をしていました。

「物は試し」と思い、わざとテープに入った言葉を、
一言一句間違えないように文章にしてみたんですね。

すると…。

その文面を見て愕然。本当に口をポカンと開けて絶句でした。

まともな内容の文章なのに、表現方法がまるで
子供の落書きのような内容なんですね。

そう。話した方が悪いのではないのです。
誰が話してもそうなるのですが、「話した言葉」をそのまま
「書き言葉」へ変換すると、文章として成立しないのですね。

しかし、よく振り返ってみると、私自身もやはりそうなんです。


普段の会話で「私」なんて使いません。いつも「俺」や「自分は」です。

普段の会話で「こんにちは」は(親しい人には)使いません。
「ちわー」か「ども」か「お疲れ様ですー」なんですね。

「~なんですけど」は会話では使いますが、文章で使うとやはりおかしい。

「書き言葉」と「話し言葉」は基本的に別の生き物なんだと思います。

よく、小説でリアリティーを出したいという理由で
普段の会話をそのまま文章にしているケースを見かけますが
そうすると、どうしても「幼く」見えてしまいます。

また、ビジネス系では「メルマガは普段の会話の感覚で書けば良い」と
書かれた本を見かけますが、それもやはり、会話そのままで行くと
おかしい文章になりがちです。(妙に軽く見えてしまう事が多くあります)


確かに、普段の会話に近い形で書くのは大切です。
その方が親しみやすい形になりますしね。

しかし、ここで一点注意したいこと。
それは、「読む側の事を考える」という事です。

人が本を読む時は、文章が多少堅い言葉遣いで書かれていても、
読む時には、自分なりに読みやすい
形に置き換えて読んでいるはずなんですね。


「僕はそのように思うのだ」という文章があったとすれば、
「僕はそう思うんだ」などの、普段の会話に近い形(理解しやすい形)に
置き換えて読んでいるような気がします。

逆に。
「昨日マジ暑かってさ、もー、嫌やんな、ってかホンマうざいしー」
という文章が書いてあったとして、それを読む時に
「昨日は本当に暑かった、もう嫌だよね、というか本当にうっとうしいね」に
読み替える事はしませんよね?

…しないですよね、普通。「軽いコト書いてるなー」と思うだけですよね。

堅い「書き言葉」を、普段の使いやすい「話し言葉」に変える作業は
案外、読み手の側でしてくれています。

しかし、軽い「書き言葉」を、丁寧な「話し言葉」に変える作業は
読み手はほとんどしてくれません。
「軽い文章だな」とハンコを押してお仕舞いです。

読み手の事を考えるのは、書く人間にとって、とてもとても大切な事です。

が、だからと言って

「話し言葉と同じ簡単な言葉で書けば、
 皆、自分と話してる感覚になって、親しみを持ってくれる」

というのは、私個人的には、間違いだと思うんです。


文章はオフィシャルなものです。
会話と違い、いつまでも残ります。
WEBでも、メルマガでも、紙媒体でも。


保存が出来る分、普段の「話し言葉」よりは堅い言葉、堅い表現を使って
綺麗にまとめる必要があるんじゃないかな、と思います。

小説の台詞部分、あるいはメルマガ、あるいはメール。

こういうもので「話し言葉」に近い文章を書こうと考える時は
是非一度、この話を思い出した上で書いて頂ければ、本当に幸いです♪


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