初めて小説を書かれる方や、スランプで思い悩んでしまった方へ向ける、小説の書き方講座集です。
難易度ごとに分類していますので、ご自分の希望する分野をお好きな順で是非どうぞ♪

□読者と貴方の間にある物

貴方の世界を共有してもらう

自作小説という物は当然自分で書くのですから、自分の好きなように書けます。
好きな様に書ける、とはつまり幾らでも自分の趣味に走って行けるという意味です。
そこがある意味小説の醍醐味でもあるのですが、同時に落とし穴でもあります。
全てに言える事ですが、やりすぎに、なりがちです。

自分の趣味にのみ走りすぎる事は危険です。

自分の趣味が入ると、そこに自分らしさが生まれます。しかし、中には入りすぎる例があります。
これは実際の、とある作家の作中にあった実話です。

主役は元レーサーという設定の小説でした。ある程度、そのレーサーの想いを伝えるためにマシンの説明やレーサーの経歴などを熱く語るのは必要な事です。
しかしこの作家さんは走りすぎた点があり、「どこのマシンが速い、あそこのマシンのエンジンは何気筒だ、ステア(?)の材質が」と、3ページ以上に渡り、語りを続けました。
その作家さんには申し訳ないのですが、正直言えば、「退屈」が正直な感想でした。私に車の知識が全くない事が原因です。
その道の専門の方なら共感を覚えるのでしょうが、実際にその小説を読んでいる人の何割がレースマシンのスペックに詳しいかを考えると…。ちょっと危険ですよね。

ある程度、一般常識の範囲で書かなければなりません。しかし少しその範囲から出なければ個性が出ません。難しい点ではありますが一般の常識レベルを弱冠超える知識が適量だと思います。


脇役人気
脇役人気という言葉があります。これはある意味、悲しい言葉ですよね。

脇役は活きていますが、主人公に良い見せ場がないという事を意味します。
ストーリーは主人公一人では、あまり良いものは出来ません。その主人公の歩むストーリーを脇からしっかり支えてあげる役が必要です。しかし、このバランスが意外に重要です。
あまりに見せ場がありすぎると、脇役が主役を越えてしまいます。

脇役はあくまでサポート。
主役より目立ってはいけないという宿命を背負っています。
脇役の使い方次第でストーリーは大きく変わります。じっくりその人物の目立つ量を計算しましょう。


引用の限界

これも先程の「趣味」にかかってくる話ですが、つい自分が音楽好きな人間であれば作品に自分の好きな音楽の歌詞を入れたくなります。
その心理はよく理解できますが、これはやや危険です。

まず著作権ですよね。これについては明るくないので説明は控えさせて頂きます。
本紹介の欄で著作権に関する本も紹介する予定ですのでそちらを是非ご参照ください。

次に問題になるのが、その歌への自分の想い入れです。
例えば綺麗なバラードがあります。自分はその歌の歌詞が好きだとします。そうすると小説の中で主人公にその歌詞を口ずませるシーンを作りたくもなります。しかし、少し待ってください。

まず貴方がその歌は恋の素晴らしさを歌ったものだと思っていても(実際にそうであったとしても)
その歌を失恋した時に聞いていた方も読者様の中にはいます。
あるいは単にその歌手が嫌いだという人もいます。

そういった人を前に「この歌を歌う」と小説の中で書いてしまうのは危険だと思いませんか?
もちろん、誰が相手であろうと自分がこの歌のすばらしさを伝える事ができる、という強い自信と堅い信念が
あれば構わないと思います。それもひとつの挑戦です。

しかし、その小説がその歌のすばらしさを書くための小説でないなら(その歌がなくても構わないのなら)
やはり、引用しない方が無難だと思います。

読者様と自分の想いは必ず同じとは限らない。読者の中には様々な人がいる。
ここで言いたかったポイントはこれです。読者様は常に「自分と違う」という事を意識しておいて下さいね。


一週間のクールダウン

自分の小説を書きあげた時。人はその作品を世界最高の小説に思ってしまいます。

創作の苦労を知っている分も加算されるからです。
しかし、実際はそうではない。貴方の作品が書き上げてすぐに世界最高になる訳ではありません。

だからこそ、書きあげたその時は少し読み返し、誤字脱字などがなければ一週間程
引き出しの中へ、自分の手の届かない所へ置いてみて下さい。

そして時間が経ち、小説完成の感動が冷めて来た頃にもう一度読み返してみて下さい。
そこでもやはり「名作だ」と思えれば、それは本当に名作です。
すぐに文学賞へ応募して下さい。

しかし。実際、大半は一週間後に読み返すと目も開けられません。
ストーリーはベタ、文体も無茶苦茶…と、修正すべき点だらけです。
それでよいのです。作品は一度で仕上がるものではありません。
作る時間と同じ位に見返す時間も必要になります。
そういう時はその手ですぐに書きなおしましょう。
こうして小説の腕を磨いて行けば、きっと素敵な作品へと生まれ変わっていきますよ。

-心-

小説というのは、何を書く行為なのでしょう。

様々な意見があると思います。

しかし、歴史だけを書きたいなら年表を書けば良く、猫の可愛らしさを書きたいなら、成長日記を書くのがベストだと思います。

本当に小説で表現するべき物は「人間」ではないでしょうか?

歴史の流れに奔放された一人の男の悲しみ、あるいは猫が初めて自分の手からエサを食べてくれた時の喜び。そういった人間の感動、貴方の感動、つまり「心の揺れ」を書くために小説はあるのではないでしょうか?

心。とても素敵な言葉だと思います。皆さんもこの言葉を忘れずに書き続けて下さい。


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